第Ⅱ部 注目の新薬〔抗血小板剤〕
「オテズラ®錠10mg,同20mg,同30mg」
照井正
1
1日本大学医学部皮膚科学分野・教授
pp.459-467
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813459
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オテズラ®錠(一般名:アプレミラスト)は中等症および重症の局面型乾癬,関節症性乾癬に有効であり,2016 年12 月に承認された。本剤は主に免疫細胞,平滑筋細胞等に発現するPDE(ホスホジエステラーゼ)4 を阻害する作用を有し,cAMP(環状アデノシン一リン酸)の濃度を上昇させてサイトカイン産生を調節する。海外臨床試験ではオテズラ®錠30mg を1日2回経口投与で,16 週目におけるPASI(Psoriasis Area and Severity Index)75 達成率は28.8~33.1%,関節症性乾癬に対しても一定の改善効果(ACR〔American College of Rheumatology〕20 達成善率30.7~40.7%)が見られ,その効果は52 週まで持続した。本剤の効果は生物学的製剤に比べるとやや劣るが,重篤な副作用はなく,本剤投与のためのスクリーニング検査やモニタリング検査が必須ではない経口薬であるため,簡便性に優れている。