第Ⅱ部 注目の新薬〔抗血小板剤〕
「ブリリンタ® 錠60mg,同90mg」
一色高明
1
1上尾中央総合病院心臓血管センター・特任副院長
pp.449-458
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813449
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チカグレロルは,直接的に血小板のP2Y12 受容体に結合してアデノシン二リン酸(ADP)凝集を阻害する作用を有する,シクロペンチルトリアゾロピリミジン群に分類される新規経口抗血小板剤である。本薬は作用発現に代謝活性化を必要としないため,血小板凝集抑制作用の発現が速やかで,効果のばらつきが少ない。また,P2Y12 受容体との結合が可逆的なため,投与終了後の作用の消失が速やかであるという点で,同種の他薬剤にない特性を持つ。わが国での適応は「急性冠症候群」や「血栓性イベントのリスクが高い陳旧性心筋梗塞」における血栓性イベントの抑制であるが,急性冠症候群の効能・効果には制限がついているため,患者背景や患者特性を考慮した使用法が必要である。