第Ⅱ部 注目の新薬
「ジーンプラバ®点滴静注625mg」
森伸晃
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター総合内科
pp.238-243
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913238
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これまでClostridioides(Clostridium)difficile感染症(CDI)に対する治療薬はあったものの,再発抑制の薬剤はなかった。ベズロトクスマブは,CDIの病態に主に関与するトキシンBに対するヒトモノクローナル抗体である。臨床試験では,プラセボ群と比較して統計学的に有意に再発率を低下させた。またトキシンAに対するヒトモノクローナル抗体との併用群と比較しても,再発率の低下はほぼ変わらない結果であった。高齢者や免疫能低下患者,再発を繰り返す患者,強毒株であるPCRリボタイプ027に感染している患者などに適応となる。非常に期待される薬剤であるが,今後効果の持続性や費用対効果などの臨床データを蓄積するとともに,どのような患者へ使用するのが効果的なのかということについても,検討していく必要がある。