連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈12〉
ビムパットⓇ錠50mg,同100mg
山根律子
1
,
林昌洋
2
1虎の門病院薬剤部 医薬情報科
2虎の門病院薬剤部 薬剤部長
pp.155-157
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201701155
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
◆ 製剤の特徴 「ビムパット®錠50mg,同100mg(ラコサミド)」は,既存の抗てんかん薬がナトリウムチャネルの急速な不活性化を促進するのに対し,本剤は緩徐な不活性化を選択的に促進することにより,過興奮状態にある神経細胞膜を安定化させる。既存薬では十分な効果を示さない患者に対し,他の抗てんかん薬との併用療法で承認された。日本中国共同第III相臨床試験では,28日当たりの部分発作が4回以上の患者が登録され,維持期間28日当たりでは本薬200mg/日群で-3.3回と,プラセボ群-1.2回に対し有意差が認められている。 主な副作用は浮動性めまい,傾眠,頭痛等であった。重大な副作用として房室ブロック,徐脈,失神が,海外市販後の報告で中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,薬剤性過敏症症候群,無顆粒球症が報告されている。