連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈31〉
ゾフルーザ錠10mg,同20mg
畑こず恵
1
1鹿児島大学病院薬剤部
pp.1909-1911
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018081909
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◆製剤の特徴 「ゾフルーザ錠10mg,同20mg(バロキサビル マルボキシル)」(以下,本剤)は,新しい作用機序を有する抗インフルエンザウイルス剤である。プロドラッグである本剤は,小腸,血液および肝臓で加水分解されて活性体となり,インフルエンザウイルス特有の酵素であるキャップ依存性エンドヌクレアーゼの活性を選択的に阻害し,ウイルスのmRNA合成を阻害することでインフルエンザウイルスの増殖を抑制する。A型およびB型インフルエンザウイルス感染症患者に対して48時間以内に単回経口投与することで症状消失期間の短縮が期待できる薬剤である。臨床試験は6カ月以上65歳未満の患者を対象に行われており,小児に対しても使用できる。 2015年に先駆け審査指定制度の対象品目に指定され,2018年3月に発売された。なお,現時点で予防投与の適応はない。