特集 加速する核酸医薬開発
8.筋ジストロフィー治療用核酸医薬の開発
小泉誠
1
1第一三共株式会社 バイオロジクス本部 モダリティ研究所第一グループ長
pp.633-637
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201902633
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20量体程度の化学合成したオリゴヌクレオチドは,細胞内で相補的な配列を持つメッセンジャーRNA(mRNA)あるいはpre-mRNA(mRNA前駆体)に結合してその機能を制御することができ,近年核酸医薬として応用されている。エテプリルセン(EXONDYS 51®)は重篤な遺伝性筋萎縮症であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)に対する核酸医薬品として2016年に米国で承認された。エテプリルセンはDMDの異常なジストロフィンmRNAのエクソン51をスキッピングし,ジストロフィンタンパク質を発現させるものである。本稿では,最近の核酸医薬を用いたDMD治療薬の研究開発について述べる。