特集 想起できるかが分かれ道! 知っておきたい母体合併症
8. 筋ジストロフィー
仙波 宏史
1
,
末岡 浩
2
,
田中 守
2
H. Senba
1
,
K. Sueoka
2
,
M. Tanaka
2
1国家公務員共済組合連合会立川病院産婦人科
2慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.51-57
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000310
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筋ジストロフィーは,進行性の筋萎縮・筋力低下を伴う遺伝性疾患である。筋ジストロフィー合併妊娠の周産期管理において,その原疾患と呼吸器や循環器疾患などの合併症への対応が求められ,また切迫早産や妊娠高血圧症候群に対する治療や周術期麻酔に用いられる薬剤による有害事象の発生にも注意が必要となる。児の出生後の臨床経過は一般に良好であるが,一部の疾患では発症の早期化や症状の急速な進行などのため親よりも重篤な経過をたどる事例が知られる。そのため,筋ジストロフィーを合併した妊婦に対する周産期管理には,内科・小児・新生児科および遺伝カウンセラーらと協力した集学的な管理が重要である。
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