特集 加速する核酸医薬開発
1.核酸医薬開発の現状と展望
高倉喜信
1
1京都大学大学院薬学研究科薬学専攻病態情報薬学・教授
pp.585-590
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201902585
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核酸医薬の開発が加速している。1998年に世界初のアンチセンス医薬のホミビルセンが米国食品医薬品局(FDA)に認可され,2004年にはアプタマー医薬のペガプタニブ,2013年にはミポメルセンが認可されたが,15年間で3品目に限られていた。しかしながら,2016年には,デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬のエテプリルセンおよび脊髄性筋萎縮症治療薬ヌシネルセンの2品目,2017年にはアジュバント(CpG DNA)含有B型肝炎ワクチンHeplisav-B,2018年には世界初のRNA干渉治療薬パチシランおよびイノテルセンの2品目(いずれもトランスサイレチン型家族性アミロイドーシス治療薬)が認可され,約2年という短期間で合計5品目の核酸医薬が上市された。本特集では,これら種々の核酸医薬の開発の現状と展望を各専門の先生方にご紹介いただくことを企画した。本稿では本特集の全体像をオーバービューする。