特集 加速する核酸医薬開発
6.免疫刺激性核酸医薬の開発動向と展望
西川元也
1
1東京理科大学薬学部生物薬剤学研究室・教授
pp.621-626
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201902621
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CpGモチーフを含むDNA,いわゆるCpG DNAは,病原微生物に共通する分子パターンを認識するパターン認識レセプターの一種であるToll様レセプター(TLR)9のリガンドであり,各種サイトカインやインターフェロン産生を誘導する。この自然免疫を活性化する作用を,免疫アジュバントとして,がんや感染症に対する治療へ利用する試みが進められている。これまでに,構造的特徴や生理活性の異なるいくつかのクラスのCpG DNAが開発されている。最近,B型肝炎に対するワクチン製剤として実用化されるに至った。CpG DNAの作用は,標的部位への選択的なデリバリーにより増強可能であることから,TLR9を発現する細胞への種々のデリバリー方法が報告されている。