第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
高血圧治療薬
曽根正勝
1
1京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科・特定准教授
pp.629-634
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813629
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本邦ではここ数年は,配合剤を除き高血圧治療薬の新規上市はないが,近年,ステロイド骨格を有さない第三世代のミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬が複数開発されている1)。主に糖尿病性腎症や慢性心不全を適応症として開発が進んでいるが,降圧効果も有しており,高血圧症で適応を目指している薬剤もある。また,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)とネプリライシン(NEP)阻害薬の両者の骨格を持つ薬剤も開発され,米国では心不全治療薬として認可されているが降圧作用についての報告もあり,本邦でも治験が行われている。また,新しい治療としてアンジオテンシンⅡを対象に治療ワクチンの開発も行われている。