第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
気管支喘息治療薬・COPD 治療薬
山口将史
1
,
黄瀬大輔
2
,
中野恭幸
3
1滋賀医科大学医学部附属病院呼吸器内科 学内講師
2滋賀医科大学医学部附属病院呼吸器内科
3滋賀医科大学医学部附属病院呼吸器内科 病院教授
pp.635-639
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813635
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気管支喘息の治療薬は1990 年代以降,吸入ステロイド薬をはじめとした吸入薬を中心に進化し,喘息死患者の減少と密接な関係があると理解されている。しかし既存の吸入薬治療でも症状がコントロールできない重症喘息患者は根強く存在し,その数は少数であるものの喘息総医療費の半分以上を占めるとされ,医療経済的にもその対応は重要である。近年は重症喘息患者のフェノタイプに基づいた抗体製剤の開発が盛んであり,少しずつ市場に出てきている。
一方,慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: COPD)領域の治療薬では,今後さまざまな種類の吸入薬の合剤が市場に登場するものと考えられている。