第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
■高血圧治療薬
押川仁
1
,
梅村敏
2
1横浜市立大学大学院医学研究科病態制御内科学
2横浜市立大学大学院医学研究科病態制御内科学 教授
pp.448-454
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313448
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2011年には承認,販売を開始された高血圧治療薬はなかったが,2012年5月に新規のアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)としてアジルサルタンが販売開始となった。効果の特徴は,従来のARBよりも強い降圧効果であり,強力なアンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体阻害作用によるものと考えられる。この強力な降圧作用により,良好な臓器保護作用が期待されている。また,アジルサルタンによる多面的な機能も期待されているが,今後の臨床使用での経験,臨床試験の報告が待たれる。一方,新しい作用機序を持つ高血圧治療薬として期待されるのがネプリライシン阻害薬であり,LCZ696の治験が進行している。また,降圧薬配合薬もいくつかの治験が進行しており,今後市販される見込みである。