第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
高血圧治療薬
石光俊彦
1
,
米澤泰
2
,
杉山史弘
2
1獨協医科大学循環器・腎臓内科 教授
2獨協医科大学循環器・腎臓内科
pp.432-439
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613432
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近年,新しく臨床導入された降圧薬としては,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB),レニン阻害薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬など,レニン- アンジオテンシン- アルドステロン(RAA)系に作用するものが中心となっている。ARBとしては,長時間作用で降圧効果が高いアジルサルタンに続き降圧ペプチドの分解酵素であるNEP(neutral endopeptidase)を阻害する作用を併せ持つ薬剤の臨床試験が行われている。ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は,選択性の高いエプレレノンに続き,非ステロイド型の薬剤が開発されている。また,経皮吸収剤としてβ遮断薬の貼付剤の臨床使用が開始された。ARB,カルシウム(Ca)拮抗薬,サイアザイド利尿薬などを組み合わせた新しい配合剤も出されている。わが国では,食塩摂取量が多いにも関わらず,降圧利尿薬の使用が少ないため,利尿薬の剤形や用量を見直すことが望まれる。