第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
心不全治療薬
彦惣俊吾
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科/ 重症心不全内科治療学寄附講座・寄附講座准教授
pp.622-628
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813622
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心不全は,心臓のポンプ機能の失調により多彩かつ重篤な症状を呈する疾患であり,さまざまな治療薬が臨床で使用されているが,依然として予後は不良であり,新規治療薬の開発が待望されている。しかしながら,近年,新規心不全治療薬の上市はなく,2016 年から2017 年にかけても本邦における新規有効成分による治療薬の上市は行われなかった。現在のところ,欧米を中心にいくつかの新規治療薬の開発が進められていて,第III相試験の実施中である。特に慢性心不全薬であるsacubitril/valsartan は,欧米で承認,市販されていて本邦でも第Ⅲ相試験を実施中であり,近い将来に本邦での臨床応用が期待される新薬である。