第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
高血圧治療薬
藤原亮
1
,
平和伸仁
2
,
梅村敏
3
1横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓・高血圧内科/ 血液浄化療法部
2横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓・高血圧内科/ 血液浄化療法部 准教授
3横浜労災病院・院長
pp.437-445
発行日 2017年1月31日
Published Date 2017/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201713437
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2015 年1月から2016 年8月までの期間,新規に承認,上市された主要な降圧薬はないが,今後期待される降圧薬として第三世代ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬やネプリライシン阻害作用を持つアンジオテンシンII受容体拮抗薬Sacubitril/Valsartan があげられる。第三世代MR 拮抗薬はステロイド骨格を持たないことからMR に対する選択性が高く,心血管系へのメリットを保持しながらも腎臓への副作用は少ない。Sacubitril/Valsartan は大規模臨床研究において,降圧効果とともに心血管系の予後を改善したことが報告され,既に米国で承認されている。これら新規降圧薬の日本での早期実用化が期待される。