第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
高血圧治療薬
佐藤倫広
1
,
今井潤
2
1東北大学病院薬剤部/日本学術振興会・特別研究員PD
2東北大学薬学研究科医薬開発構想寄附講座・教授
pp.497-504
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513497
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高血圧は,脳心血管疾患発症の最大の要因である。2013年1月~ 2014年8月に新たに上市された降圧薬6剤のうち,5剤が既存の降圧薬の配合剤であり,これは併用療法による高い降圧効果およびアドヒアランスの向上が認められるためである。一方,中性エンドペプチダーゼ阻害作用を持つアンジオテンシンII1型受容体拮抗薬,アンジオテンシンII2型受容体刺激薬,およびアンジオテンシン変換酵素2/アンジオテンシン(1-7)/mas受容体に関連する薬剤などが,降圧効果を超えた臓器保護作用を持つとして治験や臨床試験を受けている。これらの新薬に期待しつつ,実地臨床においては,厳格な血圧コントロールを念頭に置いた治療を推進する必要がある。