医薬ジャーナル論壇
増加する機能性表示食品への薬剤師の関与
前田健一郎
1
1本誌編集部
pp.2021-2023
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201609027
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「機能性表示食品」制度が,2015年4月にスタートして1年半が過ぎようとしている。機能性表示食品とは,販売事業者の責任において,健康増進に役立つ機能性(健康や栄養に関する表示)を,科学的根拠をもって明示した食品をさす。従来,機能性を記載できる食品には,「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」があったが,いずれも認可条件が非常に厳しかった。そこで,国はセルフメディケーション推進策の一環として,新たに機能性表示食品を導入し,国民自身が健康を自己管理できる選択肢を増やしたのである。ただ,機能性表示食品に関しては,患者・消費者の間で医薬品との併用リスクが十分には理解されておらず,予期しない健康被害の発生も懸念されている。薬剤師は,薬物療法の専門職として,機能性表示食品と処方薬との相互作用についてもきちんと把握し,国民の適切な健康管理に貢献しなければならない。