連載 クリニカル・パスと薬剤師(64)計画と実践のノウ・ハウ
フェンタニルクエン酸塩舌下錠用量調節クリニカルパスの導入
須藤知子
1
1千葉大学医学部附属病院 薬剤部/緩和ケア支援チーム
pp.1715-1720
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201607125
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フェンタニルクエン酸塩舌下錠(FST)は効果発現が早く,予測困難な突出痛に対して有効とされる。一方,従来の速放性製剤と違い,段階的な用量調節や投与間隔・回数の制限があり,医療者側にもきめ細かい管理が求められる。FSTの安全な投与を確実にするために,千葉大学医学部附属病院緩和ケア支援チームは用量調節クリニカルパスを作成した。パス導入後の初回使用時には,病棟看護師・病棟担当薬剤師に対し院内でのFSTの運用方法とパスについての説明会を開催した。また,チームでは患者への服薬指導や除痛効果,有害事象発現の評価をサポートするなどしてFSTの適正使用を図った。本稿では,パスの導入とその定着のために当院で行った取り組みについて紹介する。