特集1 これだけは知っておきたい!
オピオイド
フェンタニル
江頭 佐都美
1
,
岡本 禎晃
2
Satomi EGASHIRA
1
,
Yoshiaki OKAMOTO
2
1市立芦屋病院看護局/緩和ケア認定看護師
2市立芦屋病院薬剤科
pp.12-17
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_12
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フェンタニルの特徴
・μ受容体に選択的に作用する合成のオピオイド.
・鎮痛効果はモルヒネの50~100倍と言われているが,フェンタニルからモルヒネに変更して緩和される痛みもある.
・経皮吸収や粘膜吸収が良好であるため,内服の製剤はない.
・モルヒネに比して,便秘,傾眠などの副作用が少ない.
・モルヒネ,オキシコドン,ヒドロモルフォンからフェンタニルに変更した場合は,便秘が軽減することがあるため,下剤の継続を検討するなどの注意が必要.
・悪心・嘔吐の頻度が少ないといわれているが,フェンタニルの悪心は常にムカムカするといった訴えより,体動時の悪心・嘔吐が多い.この場合は抗ヒスタミン薬の投与を検討する(プリンペラン®ではなく,トラベルミン®を選択する).
・CYP3A4で代謝され,代謝物に活性はない.
・腎機能障害のある患者にも比較的安全に使用できる.
・一部の貼付剤では非がんの慢性疼痛に保険適応がある.
・貼付剤には24時間製剤と72時間製剤がある.
・注射剤の濃度は1種類である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021