特集 個別化医療とコンパニオン診断薬を取り巻く現状と問題点
2.医薬品の開発および評価における留意点
永井純正
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1独立行政法人医薬品医療機器総合機構 コンパニオン診断薬プロジェクトチーム,新薬審査第五部/東京大学医科学 研究所先端医療研究センター遺伝子治療開発分野・講師/東京大学医科学研究所附属病院TR・治験センター,血 液腫瘍内科
pp.65-69
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201508065
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日本では,コンパニオン診断薬の定義等について記載した通知や,コンパニオン診断薬を利用した臨床試験デザインの留意点等を記載した技術的ガイダンスが2013年に発出されている。また,医薬品の添付文書では対応するコンパニオン診断薬の情報が記載されるなど,米国と調和した規制の内容になっている。 しかし,2014年に開催されたPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)ワークショップでも議論されたように,個別化医療の急速な進展に伴い,マルチプレックス診断や後発品としてのコンパニオン診断薬に対して,どのような規制が適切なのかという新たな課題にも直面している。そのためには,欧米の動向にも注視しながら,日本の医療環境および法制度に適応しやすいような日本独自の規制の在り方についても検討していく必要がある。