今月の主題 痛みとその対策
鎮痛療法の適応と効果
リハビリテーションとその留意点
間 得之
1
1中伊豆温泉病院
pp.654-656
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206563
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安静と運動
りハビリテーション領域における鎮痛的アプローチの対象となるものは,主として運動器疾患で,その多くは炎症が関与しているが,拘縮などに伴う疼痛もリハビリの対象となる.炎症が強い場合には,まず安静にするというのが医学的常識であり,この際,全身的安静と局所的安静に分けてその適応を考慮する必要があろう、疼痛を伴う運動器疾患の代表的なものとして,慢性関節リウマチを例にとった場合,全身反応(発熱,食思不振,るいそう,貧血,易疲労性など)の著明な場合には,全身的安静,すなわち臥床安静を命ずるこの間できれば廃用性筋萎縮を防ぐために筋調整運動(等尺性運動muscle setting)を1日数回試みることが望ましい.一方,関節局所の炎症活性のみが強い場合には,副子(splint)による局所安静の適応となり,温湯水による加熱で簡単に処理できる可塑性の材料が容易に入手できるので,個々の関節にあわせて短時間で作ることができるが,ボール紙発泡スチロールでも間に合う.局所安静の場合でも1日3〜4回splintを取り外して適度の関節可動域運動が必要である.
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