研究を志す人のために
研究するにあたっての一般的留意点
樋口 康子
1
,
戸田 悦子
1
1日本赤十字幹部看護婦研修所
pp.138-147
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200648
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わが国の看護界で"研究"という言葉が使われはじめたのは,今から15年前の頃であった。それ以来,公の場で"看護研究"として発表されているものの内容に目を通してみると,だんだん変わってきてはいるものの,目的や仮説が明らかでない調査のまとめや,単なる業務報告の程度にすぎないものの多いことに気がつく。
教育畑では,4年制の大学をはじめ,3年制の短大や専門学校,各種学校,さらに進学コースや准看学校の教師にいたるまで,どのように"研究"という科目をカリキュラムの中に組み入れたらよいかについて,頭をなやましているようすである。最近,ある地域の"看護学生研究発表会"をのぞいてみる機会にめぐまれた。研究発表会の内容は,学生が実習先で看護した体験を自己流にまとめ,報告しあっているにすぎなかった。しかもその中には,看護した事実をまとめるのではなくて,対象のいない想像した看護について発表されているものもあり,驚かされた。
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