有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン-内視鏡検診時代の新たなる幕開け
検診対象集約への戦略 現状と課題 ペプシノゲン検査による胃癌リスク評価
井上 泉
1
,
加藤 順
,
前北 隆雄
,
井口 幹崇
,
玉井 秀幸
,
一瀬 雅夫
1和歌山県立医科大学 第二内科
キーワード:
生物学的マーカー
,
Pepsinogens
,
胃炎-萎縮性
,
胃腫瘍
,
集団検診
,
診断サービス
,
リスク評価
,
腫瘍の早期診断
Keyword:
Diagnostic Services
,
Gastritis, Atrophic
,
Mass Screening
,
Pepsinogens
,
Stomach Neoplasms
,
Biomarkers
,
Risk Assessment
,
Early Detection of Cancer
pp.177-182
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016164625
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ペプシノゲン(PG)IとPG IIは胃粘膜の炎症や萎縮で変動し,PGIおよびPGI/II低値は萎縮進展度を,PG II高値は高度活動性炎症を反映する指標と理解されている.PG検査(萎縮性胃炎判定基準:PGI≦70ng/mlかつPGI/II≦3.0)に基づいた胃癌リスク診断が現状では行われており,長期観察研究の結果,萎縮性胃炎進展に伴い胃癌発生リスクが段階的に上昇すること,PG検査を用いて胃癌リスク評価とハイリスク集約が可能であることが示唆された.一方で,PG陰性群に混在する胃癌ハイリスクの存在がPG検査の課題としてあり,発癌過程に基づいたPG値を指標とする具体的な胃癌リスク診断の対象集約への活用が期待される.
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