胃癌リスク診断を巡って-現状と問題点
胃癌リスク診断 これまでの経緯と現状
一瀬 雅夫
1
,
吉田 岳市
,
出口 久暢
,
渡邉 実香
,
榎本 祥太郎
,
加藤 順
1和歌山県立医科大学 第二内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
Pepsinogens
,
胃炎-萎縮性
,
胃腫瘍
,
細菌抗体
,
集団検診
,
検査予測値
,
リスク評価
,
腫瘍の早期診断
Keyword:
Antibodies, Bacterial
,
Gastritis, Atrophic
,
Mass Screening
,
Pepsinogens
,
Predictive Value of Tests
,
Stomach Neoplasms
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Risk Assessment
,
Early Detection of Cancer
pp.1101-1107
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013284977
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個人の胃癌発生リスクが血液検査を指標に非侵襲的に評価可能であることが長期観察研究の結果,明らかになってきた.これは胃癌ハイリスク地域における発癌仮説であるatrophy-metaplasia-cancer sequenceに基づき,血清ペプシノゲンや特異抗体により,H.pyloriが惹起する上記発癌過程のステージを診断し,胃癌発生リスクを予測するものである.理論的には,高危険群をスクリーニングなどの胃癌対策の対象として選別するばかりでなく,低危険群の除外による効率化がはかられる画期的な方式ではあるが,H.pyloriの感染診断,未分化癌に対するリスク評価の不完全さなどの大きな課題を抱えている.検診現場への導入以前に慎重かつ十分な検討が求められる.
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