有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン-内視鏡検診時代の新たなる幕開け
検診対象集約への戦略 現状と課題 ABC分類の検診への導入の現状
井上 和彦
1
,
近藤 秀則
,
鎌田 智有
,
春間 賢
1川崎医科大学 総合臨床医学
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
IgG
,
Pepsinogens
,
胃腫瘍
,
集団検診
,
リスク評価
,
腫瘍の早期診断
,
真庭市
Keyword:
Immunoglobulin G
,
Mass Screening
,
Pepsinogens
,
Stomach Neoplasms
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Risk Assessment
,
Early Detection of Cancer
pp.197-203
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016164628
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ABC分類により胃癌罹患リスク評価が可能であり,画像検査と適切に組み合わせることにより,胃がん検診に貢献できると思われる.岡山県真庭市では医師会と行政の協力でABC分類を基盤とした胃がん検診システムを構築し,早期胃癌を効率的に発見することができている.ABC分類を実施した年度だけではなく,翌年度の内視鏡で発見した早期胃癌も複数あり,複数年度にわたる検診システムが機能していると考えられた.しかし,ABC分類による一次検査や内視鏡を中心とする二次検査の受診率が低いことが問題であった.また,A群のなかへのHelicobacter pylori感染既往者や感染持続者の混入はできるかぎり避けなければならない.ABC分類を地域検診に正しく導入し普及するために精度管理も含めた基本的な運用法を提示すべきであろう.
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