有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン-内視鏡検診時代の新たなる幕開け
胃内視鏡検診を巡る新たなる展開 韓国のNational Cancer Screening Program
後藤 励
1
1京都大学白眉センター 経済学研究科
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
集団検診
,
各国の保健医療制度
,
韓国
,
公的医療保険
Keyword:
Gastroscopy
,
Mass Screening
,
Stomach Neoplasms
,
Republic of Korea
,
Not-For-Profit Insurance Plans
pp.171-176
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016164624
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韓国の公的がん検診は,単一の保険者である国民健康保険公団との綿密な協力の下に行われている.胃がん検診の受診率は70%を超え,検診の中心は内視鏡検診にすでに移っている.一方,健康保険の給付範囲は日本より狭く,公的がん検診で発見された癌には治療費の補助を行うため,受診者にとっても公的がん検診受診のインセンティブが大きい.また,診療報酬請求に対する審査も厳しいため,保険診療上で癌を疑った検査を幅広い患者に行うことが難しい.日本では,多数の保険者が検診を行っており,健康保険の給付の範囲も広いため公的がん検診の代替物が多数存在する.内視鏡検診の普及を進めていくには,日本の保険診療の特徴にも留意した施策が必要となる.
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