胃癌リスク診断を巡って-現状と問題点
高齢者を対象にした胃癌リスク検診の課題
飯野 勢
1
,
下山 克
1弘前大学 大学院医学研究科消化器血液内科学
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
Pepsinogens
,
胃炎-萎縮性
,
胃腫瘍
,
感度と特異度
,
細菌抗体
,
集団検診
,
分類
,
腫瘍の早期診断
Keyword:
Antibodies, Bacterial
,
Classification
,
Gastritis, Atrophic
,
Mass Screening
,
Pepsinogens
,
Sensitivity and Specificity
,
Stomach Neoplasms
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Early Detection of Cancer
pp.1185-1189
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013284988
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ABC分類は胃癌リスク検診として優れた方法であり,全国的に行われつつある.しかし,非都市部などのH.pylori感染率が高い地域において中高年者を対象とすると,萎縮性胃炎を有する率が高いために要精査率が高くなってしまい,リスク診断としての機能を十分に発揮することができない場合がある.一方で,早期胃癌患者を要精査者とするためには,ペプシノゲン法による萎縮性胃炎の偽陰性を避けるため,H.pylori除菌歴・PPI内服の有無についての問診が肝心である.さらに,早期胃癌患者では萎縮性胃炎が高度であることが多く,感染しているH.pylori菌量が減少するために血清抗体価がカットオフ値以下となる場合があり,B群であるべき者がA群に入ってしまうこともある.対象者によっては抗体価の適切なカットオフ値を検討する必要がある.
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