有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン-内視鏡検診時代の新たなる幕開け
検診対象集約への戦略 現状と課題 ペプシノゲン検査とHelicobacter pylori抗体併用法(ABC分類)による胃がんリスク評価
吉田 岳市
1
,
榎本 祥太郎
,
渡邊 実香
,
玉井 秀幸
,
加藤 順
,
一瀬 雅夫
1和歌山県立医科大学 第二内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
IgG
,
Pepsinogens
,
胃炎-萎縮性
,
胃腫瘍
,
集団検診
,
リスク評価
Keyword:
Gastritis, Atrophic
,
Immunoglobulin G
,
Mass Screening
,
Pepsinogens
,
Stomach Neoplasms
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Risk Assessment
pp.191-195
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016164627
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高度萎縮性胃炎の指標である血清ペプシノゲン(PG)検査およびHelicobacter pylor(HP)感染を診断する特異抗体を併用するABC分類は,HP感染胃炎進行(HP未感染→HP感染成立軽度萎縮→高度萎縮)に伴い胃がん発生リスクが上昇するという知見に基づいている.しかし,高度萎縮に匹敵する胃がん高リスクである高度活動性胃炎を欠くなど,ABC分類は現時点では胃がん検診に応用するには未完成な段階にあり,運用上の課題も山積している.胃がん検診受診者保護のうえから,長期にわたり安定的な制度を構築するためにも,安易な導入を避け,一つずつ課題を丁寧に解決する努力が必要である.
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