高齢腎不全患者のバスキュラーアクセスを科学する
高齢者VA作製における手技上のポイント AVF
小口 健一
1
1望星会望星病院
キーワード:
動静脈吻合術
,
血液透析
,
術前診断
,
腎不全-慢性
,
ブラッドアクセス
Keyword:
Arteriovenous Shunt, Surgical
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
pp.863-875
発行日 2016年6月20日
Published Date 2016/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016273589
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<Point>動静脈シャントを付与する対象はその多くがすでに高齢者の域にある。高齢者ではAVFの開存率が有意に低いことが以前から知られていた。作製に当たって以下の身体的状況を考慮に入れる。(1)心機能、(2)上肢の運動障害の有無、(3)中心静脈狭窄の有無、(4)上肢虚血(末梢循環障害)の有無、(5)静脈の荒廃、(6)動脈硬化の程度。動脈外径1.5mm程度でも中膜が弾力に富み、滑らかな内膜が維持されていれば吻合は可能である。精緻な吻合(Fine suture)を心がける。石灰化に至った血管では内膜と中膜、中膜と外膜の層の識別が不可能であるが、運針の肝要は必ず全層を貫通させることである。また静脈については内反も外反も生じさせないよう注意を払う。
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