研究
前腕での静脈転位による透析内シャント作製術
岩瀬 仁一
1
,
小林 直人
,
永井 将哲
,
泉 治紀
,
大林 孝彰
1明陽会成田記念病院 心臓血管外科
キーワード:
動静脈吻合術
,
血液透析
,
血管造影
,
腎不全-慢性
,
治療成績
,
ブラッドアクセス
,
尺側皮静脈
,
橈側皮静脈
Keyword:
Arteriovenous Shunt, Surgical
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Treatment Outcome
,
Angiography
pp.137-139
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2019314133
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2012年10月~2018年1月に標記の術式を行った18例(男13例、女5例、平均年齢68.5歳)の成績を検討した。転位する静脈は背側中手静脈(DMV)12例、副橈側皮静脈(ACV)3例、尺側皮静脈(BV)3例であった。ACV転位2例とBV転位2例は閉塞による再作製術であった。転位した静脈の長さはDMVで平均6.3cm、ACVで5.5cm、BVで9.8cmであった。シャント穿刺までのmaturation timeは血液透析導入に伴う新規作製で平均50日、維持透析でのシャント閉塞・不全に伴う作製で平均4.7日であった。経過観察中にBV転位の2例でmaturation failureのため経皮的血管拡張術を行ったが拡張不良のため同側で人工血管内シャントの手術を行った。DMV転位の1例で転位した静脈の屈曲閉塞のため、屈曲部中枢での自己血管内シャントを行った。平均観察期間は30ヵ月で、一次、二次開存率は12ヵ月でそれぞれ53%、78%であった。
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