特集 炎症性腸疾患の分子標的治療を総括する
Ⅹ.生物学的製剤・低分子化合物と悪性腫瘍
大森 鉄平
1
,
佐々木 優
1
,
高鹿 美姫
1
,
神林 玄隆
1
,
村杉 瞬
1
,
米澤 麻利亜
1
,
徳重 克年
1
1東京女子医科大学消化器内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
生物学的製剤
,
低分子化合物
,
悪性腫瘍
,
担がん状態
Keyword:
炎症性腸疾患
,
生物学的製剤
,
低分子化合物
,
悪性腫瘍
,
担がん状態
pp.305-310
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000621
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悪性腫瘍を併発したIBD患者に対する治療は一様ではない.とくに生物学的製剤や低分子化合物などの治療の継続により腫瘍免疫を抑制する可能性があり,腫瘍専門医とリスク・べネフィットについて協議し,継続の可否について判断する必要がある.また化学療法との兼ね合いや全身状態を把握し,メディカルスタッフ,さらには患者自身も交えたチーム医療で行う必要がある.エビデンスは集積しつつあるが新規薬剤はまだ長期経過のデータが乏しく,いくつかの薬剤のデータは臨床試験結果に基づくものである.さらに欧米からのエビデンスとの差異は人種間で存在している可能性があり,今後本邦における生物学的製剤・低分子化合物の悪性腫瘍に対する影響を検討しなければならない.
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