特集 炎症性腸疾患の分子標的治療を総括する
Ⅺ.生物学的製剤・低分子化合物使用患者に対するワクチン接種
遠藤 克哉
1
,
佐藤 倫紀
1
,
川上 瑶子
1
,
吉野 祐貴
1
,
佐々木 義輝
1
,
片山 智文
1
1東北医科薬科大学消化器内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
生物学的製剤
,
低分子化合物
,
ワクチン
,
COVID-19
,
SARS-CoV-2
Keyword:
炎症性腸疾患
,
生物学的製剤
,
低分子化合物
,
ワクチン
,
COVID-19
,
SARS-CoV-2
pp.311-316
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000622
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炎症性腸疾患(IBD)に対して免疫抑制的作用機序を有する生物学的製剤・低分子化合物を投与する場合,治療開始前の感染症罹患歴,ワクチン接種歴の聴取,各種ウイルスの血清抗体価の確認が必須である.免疫抑制的治療中は,麻疹・風疹・ムンプス・水痘などの生ワクチン接種は禁忌であり,必要に応じて治療開始前に接種を検討する.免疫抑制的治療中でもインフルエンザワクチン,肺炎球菌ワクチンなどの不活化ワクチンは接種可能であるが,免疫応答抑制により抗体産生が低下する可能性があることに留意する.COVID-19パンデミック下,IBD患者ではSARS-CoV-2ワクチン接種が推奨されるが,免疫抑制的治療中の本ワクチンの有効性については今後の検証が必要である.
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