特集 炎症性腸疾患の分子標的治療を総括する
Ⅸ.現在開発中の生物学的製剤・低分子化合物
松浦 稔
1
,
久松 理一
1
1杏林大学医学部消化器内科学
キーワード:
抗IL-23p19抗体
,
JAK阻害薬
,
接着因子阻害薬
,
S1P受容体調節薬
Keyword:
抗IL-23p19抗体
,
JAK阻害薬
,
接着因子阻害薬
,
S1P受容体調節薬
pp.297-303
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000620
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
抗TNF-α抗体製剤の登場以降,炎症性腸疾患(IBD)における病態生理の理解とともに,その鍵となる特定の分子を標的としたIBD治療薬の開発が急速に進んでいる.現在,IBD治療薬の開発は,IBDの病態に関わる特定のサイトカインやその細胞内シグナル伝達を阻害する薬剤,リンパ組織や腸管でのリンパ球の動態を標的とする薬剤が中心となっている.このような開発中の新規治療薬は有効性と安全性を評価することに加え,その位置づけを明らかにすることが今後必要となる.従来のIBD治療薬とは異なる作用機序をもつ分子標的薬の開発は,IBD患者のさらなるQOL向上に貢献することが期待される.
Copyright © 2021, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.