特集 炎症性腸疾患の分子標的治療を総括する
Ⅱ.生物学的製剤・低分子化合物の作用機序
小林 拓
1
1北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター
キーワード:
クローン病
,
潰瘍性大腸炎
,
TNF-α
,
接着分子
,
低分子
Keyword:
クローン病
,
潰瘍性大腸炎
,
TNF-α
,
接着分子
,
低分子
pp.255-258
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000613
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
炎症性腸疾患の病態は未だに不明であるが,近年の研究により,環境要因・腸内細菌と遺伝的素因が免疫応答の異常をきたすことがその主たる病態であることが推測されている.免疫応答の異常として早くからターゲットになったのはTNF-αであり,その抗体製剤はサイトカインとしての中和だけでなくT細胞やマクロファージのアポトーシスを誘導することが示されている.抗IL-12/23p40抗体はマクロファージや樹状細胞から産生され,それに続く獲得免疫異常の引き金になると考えられているIL-12とIL-23双方を阻害する.インテグリン阻害薬はリンパ球のα4β7依存的な腸管への動員を,ヤヌスキナーゼ阻害薬はさまざまなサイトカイン受容体の下流の炎症応答を抑制する.
Copyright © 2021, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.