特集 炎症性腸疾患の分子標的治療を総括する
Ⅲ.抗TNF-α抗体製剤
河本 亜美
1
,
藤井 俊光
1
1東京医科歯科大学消化器内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
TNF-α
,
生物学的製剤
Keyword:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
TNF-α
,
生物学的製剤
pp.259-266
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000614
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新たな生物学的製剤が次々と承認される現在でも抗TNF-α抗体製剤は炎症性腸疾患(IBD)治療において重要であり,潰瘍性大腸炎(UC),クローン病(CD)両疾患に対し優れた効果を有する.インフリキシマブ承認後より抗TNF-α抗体製剤の二次無効が問題となっており,解決策として抗薬物抗体の産生抑制を目的とした免疫調節薬併用の有用性や,抗TNF-α抗体製剤や抗薬物抗体の血中濃度測定についてのエビデンスが蓄積されつつある.抗TNF-α抗体製剤によるIBDの長期予後への影響は未だ不明な点もあるが,粘膜治癒が予後改善や手術率低下と関連することは明らかになっており,treat-to-targetストラテジーに則った積極的治療が疾患自然史の改善を達成することは十分に期待できる.
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