Japanese
English
症例報告
潰瘍性大腸炎に対してゴリムマブ投与中にサルコイドーシスを発症した1例
A case of sarcoidosis in a patient treated with golimumab for ulcerative colitis
谷口 君香
1
,
矢嶋 萌
1
,
北岡 修二
2
Kimika TANIGUCHI
1
,
Moyu YAJIMA
1
,
Shuji KITAOKA
2
1枚方公済病院皮膚科
2枚方公済病院消化器内科
1Division of Dermatology, Hirakata Kosai Hospital, Hirakata, Japan
2Division of Gastroenterology, Hirakata Kosai Hospital, Hirakata, Japan
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
golimumab
,
サルコイドーシス
,
TNF-α
,
paradoxical reaction
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
golimumab
,
サルコイドーシス
,
TNF-α
,
paradoxical reaction
pp.569-574
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206424
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要約 56歳,男性.潰瘍性大腸炎に対し,ゴリムマブ(GLM)投与開始1年後,左膝に隆起した紅斑を認めた.クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏外用では改善せず,生検した.病理組織標本で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認めた.また両側肺門リンパ節腫脹を認めていること,採血で可溶性IL-2レセプターが高値であることからサルコイドーシスと診断した.病変は皮膚と肺のみであった.GLM開始後に両側肺門,縦隔のリンパ節腫大を認めており,GLM投与によるサルコイドーシス発症の可能性が高いと考え,GLMの投与を中止したところ皮膚や肺の所見は改善した.サルコイドーシスの皮膚病変を認めた際には,tumor necrosis factor阻害薬の投与により誘発された可能性を検討することが重要である.
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