特集 炎症性腸疾患の分子標的治療を総括する
Ⅷ.外科手術患者に対する生物学的製剤の実際
内野 基
1
,
池内 浩基
1
1兵庫医科大学消化器外科学講座炎症性腸疾患外科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
生物学的製剤
,
周術期合併症
,
手術部位感染
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
生物学的製剤
,
周術期合併症
,
手術部位感染
pp.291-296
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000619
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抗TNF-α抗体製剤を中心に手術への影響や術後治療の考え方について解説する.手術への影響を複数の研究が報告しメタ解析も行われている.潰瘍性大腸炎,クローン病ともに術前の抗TNF-α抗体製剤の使用は影響していないとする報告がやや優位であるものの,施設や解析方法によっては周術期感染合併症のリスクとなる結果も出ている.最近のメタ解析では影響がなく,現在のところ術後経過を危惧して治療をためらう必要はなさそうである.術後治療については決まったタイミングや適応はないが,導入時と同じく術後合併症を含めた感染症を否定しておくことが必須である.
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