TOPICS 文献紹介〈炎症関連*〉
潰瘍性大腸炎における5-ASA 不耐は予後不良である〔Review from ─ Aliment Pharmacol Ther 2021;53:103-113〕
日比谷 秀爾
1
,
藤井 俊光
1
,
岡本 隆一
1
,
渡辺 守
2
1東京医科歯科大学消化器内科
2東京医科歯科大学高等研究院
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
5-ASA不耐
,
予後
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
5-ASA不耐
,
予後
pp.115-118
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000559
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軽症〜中等症の潰瘍性大腸炎(UC)の治療において,5-アミノサリチル酸塩(5-ASA)製剤は有効性・安全性から第一選択となるが,5-ASA製剤投与開始後に副反応で継続困難な症例(5-ASA不耐症)が経験される.さらに,臨床上5-ASA不耐症例で予後不良なケースが散見される.5-ASA不耐症は20%以下の患者にみられるとされ,5-ASA不耐症が不良な臨床転帰(生物学的製剤導入率・入院率)や腸内細菌叢異常との関連が報告されているが,手術リスクへの影響は不明である.さらに,1剤の5-ASA製剤に不耐であっても他の5-ASA製剤が使用可能な症例(5-ASA製剤不耐)が経験されるが,製剤不耐と真の5-ASA不耐を区別した解析は限られている.5-ASA不耐と手術リスクの関連を明らかにすることで,UCの治療戦略に重要な情報となると考えた.
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