TOPICS ─文献紹介〈炎症関連*〉
人工知能(AI)による潰瘍性大腸炎の内視鏡画像評価の開発〔Review from ─ Gastroenterology 2020;158;2150-2157〕
竹中 健人
1
,
大塚 和朗
2
,
大島 志織
3
,
渡辺 守
4
1東京医科歯科大学消化器内科
2東京医科歯科大学医学部附属病院光学医療診療部
3ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ(株)
4東京医科歯科大学高等研究院
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
内視鏡
,
AI
,
コンピューター画像支援システム
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
内視鏡
,
AI
,
コンピューター画像支援システム
pp.363-365
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000524
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潰瘍性大腸炎(UC)は大腸にびらんや潰瘍ができ,腹痛や下痢・血便を起こす原因不明の慢性疾患である.症状が強い場合には,日常生活に著しい影響があり,入院や大腸全摘術が必要になることもある.近年の治療の進歩により,症状を抑えるだけでなく,炎症そのものをコントロールすることが可能となった.炎症のコントロールのためには臨床的寛解の達成だけでなく「粘膜治癒」を達成することが重要であり,下部消化管内視鏡を行い「内視鏡的寛解」および「組織学的寛解」を評価することが必須である.しかしその評価を行うには病気に対する知識や経験が必要であり,評価そのものが医師の主観に基づくため相違が生じることが問題であった.さらに「組織学的寛解」評価のためには内視鏡検査で粘膜を採取する必要があり,生検に伴うコストや合併症が避けられない. 人工知能(AI)技術の進歩により,医療の領域でもさまざまなコンピューター支援機器の開発が進められている.本研究では深層学習というAI技術を用いることで,潰瘍性大腸炎の内視鏡画像に基づくコンピューター画像支援システム(deep neural network system based on endoscopic images of ulcerative colitis;DNUC)を開発し,その精度を前向きに検証することを目的とした.
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