特集 大腸癌のスクリーニングとサーベイランスの標準化に向けて─ 新しい知見から
Ⅰ.スクリーニング(6)受診者リスク層別を考慮した大腸がん検診の可能性
関口 正宇
1,2,3
,
松田 尚久
1,2,3
1国立がん研究センター中央病院検診センター
2国立がん研究センター中央病院内視鏡科
3国立がん研究センター社会と健康研究センター検診開発研究部
キーワード:
全大腸内視鏡検査
,
大腸がん検診
,
便潜血検査
,
リスク層別化スコア
Keyword:
全大腸内視鏡検査
,
大腸がん検診
,
便潜血検査
,
リスク層別化スコア
pp.52-57
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000549
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大腸がん検診において内視鏡検査を有効活用するうえで,受診者のリスク層別は重要である.日本を含めた多くの国の検診で,便潜血検査がリスク層別ツールとして活用されているが,その1回の検査による大腸advanced neoplasiaへのスクリーン感度は低く,より感度の高い非侵襲的なリスク層別法の出現が望まれる.そのような状況下,受診者背景因子を用いたリスク層別化スコアと便潜血検査の併用法に期待が寄せられる.リスク層別化スコアのうちで日本における有用性が見込まれる8-pointリスクスコアと便潜血検査の併用法は,便潜血検査単体よりも,大腸advanced neoplasia,とくに右側大腸advanced neoplasiaに対するスクリーン感度が高いことが日本人受診者データの解析から示されており,今後,この併用法の検診における使用について検証が進むことが期待される.
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