特集 早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後
Ⅱ.早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後の実態(2)表面型早期大腸癌
一政 克朗
1
,
工藤 豊樹
1
,
神山 勇太
1
,
望月 健一
1
,
石垣 智之
1
,
豊嶋 直世
1
,
森 悠一
1
,
三澤 将史
1
,
林 武雅
1
,
若村 邦彦
1
,
石田 文生
1
,
工藤 進英
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
キーワード:
大腸T1 癌
,
内視鏡的切除
,
再発
,
陥凹型腫瘍
Keyword:
大腸T1 癌
,
内視鏡的切除
,
再発
,
陥凹型腫瘍
pp.213-220
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000334
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表面型大腸T1 癌の治療,予後に関する当センターの検討では,内視鏡的治療単独群において表面型(陥凹型)が再発のリスク因子(HR 80.47)であった.また表面型は隆起型に比べ初回外科手術が選択される割合が高く,静脈侵襲陽性率(31.3% vs. 20.3%,P<0.001),簇出BD 2/3(25.6% vs. 17.8%,P=0.01)の割合が高かった.対象は,2001 年4 月~2015 年6 月の期間に治療された大腸pT1 癌930 例(平均観察期間52.3 カ月),うち内視鏡的治療単独群が298 例,外科手術群が632 例(初回外科手術327 例,追加腸切除305 例).内視鏡的治療後に再発をきたした表面型T1 癌は3 例すべてが直腸病変,2 例が陥凹型であった.3 例すべての病変で大腸癌治療ガイドラインのリンパ節転移リスク因子を一つ以上有していた.今後,表面型,とくに陥凹型大腸癌の発育進展,再発予後実態のさらなる究明が期待される.
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