特集 早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後
Ⅱ.早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後の実態(3)LST
山田 真善
1
,
高丸 博之
1
,
坂本 琢
1
,
斎藤 豊
1
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
キーワード:
側方発育型腫瘍
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
内視鏡的粘膜切除術
,
再発
,
臨床病理学的特徴
Keyword:
側方発育型腫瘍
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
内視鏡的粘膜切除術
,
再発
,
臨床病理学的特徴
pp.221-226
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000335
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)を用いた側方発育型腫瘍(LST)の切除が従来の内視鏡的粘膜切除術(EMR)と比較し,治療後の局所再発の著明な減少に寄与することが報告されている.一方で,ESD 後に転移再発をきたした場合は外科切除をもってしても救済が困難であることも論じられている.現在,深達度のみが非治癒因子であった場合に外科切除検体のリンパ節転移リスクから適応拡大の可能性が検討されているが,まだ十分なエビデンスは得られていない.当院の再発症例の特徴からも浸潤癌で再発した場合はほとんどに遠隔転移を伴っており,予後は不良であった.よって現時点ではESD の結果,側方断端以外が非治癒となった場合,根治を目指した追加外科切除が標準である.将来的に,ESD 後の浸潤癌再発を予測する危険因子が解明され,患者の全身状態を考慮した個別化医療が可能になることに期待したい.
Copyright © 2019, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.