連載 薬の知識
トファシチニブ(ゼルヤンツ®)
猿田 雅之
1
1東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
トファシチニブ
,
ゼルヤンツ
,
JAK 阻害薬
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
トファシチニブ
,
ゼルヤンツ
,
JAK 阻害薬
pp.434-438
発行日 2020年3月20日
Published Date 2020/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001117
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潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)の新規治療薬としてJAK‒STAT 経路を直接阻害するJAK 阻害薬トファシチニブ(ゼルヤンツ®)が2018 年5 月に承認された.同薬剤は,炎症を惹起する各種サイトカインが作用するJAK‒STAT 経路を直接阻害するため,広範かつ強力に炎症反応を制御でき,治療抵抗例への寛解導入効果も認められている.2013 年に先行して関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)に保険収載され,低分子化合物であるために抗薬物抗体の出現率も低く二次無効が生じにくいことが想定されており,難治化したUC に対する有効な薬剤として期待されている.本稿では,トファシチニブの作用機序と有効性や安全性について概説する.
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