特集 病態から考え出されたIBD治療の進歩
Ⅴ.SMAD7阻害薬
久松 理一
1
1杏林大学医学部第三内科
キーワード:
SMAD7
,
TGF-β
,
クローン病
Keyword:
SMAD7
,
TGF-β
,
クローン病
pp.251-254
発行日 2018年5月20日
Published Date 2018/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000196
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クローン病では,TGF-βシグナルのネガティブフィードバック分子であるSMAD7 の過剰発現により免疫抑制性のTGF-βシグナルがブロックされ炎症性サイトカインの過剰産生を引き起こしている可能性が示唆されていた.マウス腸炎モデルにおいて,SMAD7 アンチセンスオリゴヌクレオチドの経口投与の腸炎抑制効果が示された.これらの結果をもとに,クローン病患者において臨床試験が行われた.第Ⅰ相で安全性が確認され,第Ⅱ相において有効性が示唆されたが,第Ⅲ相試験の中間報告でプラセボ群と比較して有効性が示されず試験中止となった.
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