特集 肝硬変 ―最新の治療
1.治療介入(5)高齢者の肝硬変の治療介入の注意点
名越 澄子
1
1埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科
キーワード:
サルコペニア
,
高齢者
,
肝発癌
,
腎機能障害
Keyword:
サルコペニア
,
高齢者
,
肝発癌
,
腎機能障害
pp.1132-1138
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003587
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高齢者の肝硬変の成因に対する治療介入時には,とくに高齢者に起こりやすい腎機能障害や脱水,電解質異常などの出現に注意した経過観察と,薬物を少量から開始するなどの配慮が必要である.また,成因にかかわらず,加齢は肝硬変からの肝発癌のリスクとなるので,慎重なサーベイランスを要する.肝硬変の合併症や肝硬変の予後に影響する併存疾患に対する治療・予防対策においては,高齢者がサルコペニアや食事摂取量の低下などによる低栄養・低蛋白状態に陥りやすいことから,肝性脳症に対する蛋白質制限や腹水に対する塩分制限,糖尿病治療・予防に対する食事・運動療法が過度とならないように心がける必要がある.

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