特集 ウイルス肝炎制御時代の肝発癌
1.ウイルス肝炎制御をめぐる疫学と最新動向(5)MAFLDと肝硬変・肝癌
川口 巧
1,2
,
堤 翼
1
,
中野 暖
1
,
下瀬 茂男
1
,
新関 敬
1
,
古賀 浩徳
1,2
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
2久留米大学医学部 先端癌治療研究センター肝癌部門
キーワード:
MAFLD
,
脂肪肝
,
代謝異常
,
肝線維化
,
肝発癌
Keyword:
MAFLD
,
脂肪肝
,
代謝異常
,
肝線維化
,
肝発癌
pp.894-900
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002267
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近年,脂肪肝の新しい疾患概念metabolic dysfunction-associated fatty liver disease(MAFLD)が22カ国32名の専門医より提唱された.MAFLDは,肝線維化や肝発癌のリスク因子である肥満や糖尿病などの代謝異常を組み入れ基準としている.また,MAFLDは,nonalcoholic fatty liver disease(NAFLD)の除外基準とされていた飲酒量やウイルス性肝疾患とは独立した疾患概念であり,アルコール性肝疾患やウイルス性肝疾患における脂肪肝の意義についても検討可能である.本稿では,MAFLDの肝線維化診断能について概説する.さらに,肝癌患者におけるMAFLDの実態と早期発見のためのスクリーニングについて,近年の研究報告を基に論述する.
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