特集 肝線維化ー診断を超えて
7 .肝線維化は最強のNASH 予後決定因子か
角田 圭雄
1,6
,
小野 正文
2,6
,
藤井 英樹
3,6
,
徳重 克年
4,6
,
中島 淳
5,6
,
米田 政志
1
1愛知医科大学内科学講座肝胆膵内科学
2高知大学医学部消化器内科
3大阪市立大学医学部肝胆膵内科学
4東京女子医科大学消化器内科
5横浜市立大学医学部肝胆膵消化器内科
6日本医療戦略研究センター臨床研究・開発部Japan Study Group of NAFLD
キーワード:
肝線維化
,
肝発癌
,
エラストグラフィ
Keyword:
肝線維化
,
肝発癌
,
エラストグラフィ
pp.1659-1666
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000593
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肥満・糖尿病などの生活習慣病の増加とともに,肝癌・肝不全の原因としてのNASH の重要性が高まりつつある.一方,NASH の死因は心血管イベント,他臓器癌,肝疾患関連死である.近年のメタ解析で,肝線維化の進行は肝疾患関連死のみでなく,心血管イベント,他臓器癌のリスクも高めることが明らかになった.肝線維化診断のゴールドスタンダードは肝生検であるが,非侵襲的な診断法として,FIB4 index,NAFLD fibrosis score などのスコアリングシステムや超音波エラストグラフィ,MR エラストグラフィなどの画像診断の有用性が確立されてきた.近年,肝線維化の改善を目標とした治療薬の開発が進行中であり,肝線維化抑制作用によってNASH の予後を改善できることを期待したい.
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