特集 ここまで進んだinterventional EUS
11.膵腫瘍に対するEUS下焼灼療法
松本 和幸
1
,
加藤 博也
2
,
藤井 祐樹
1
,
内田 大輔
1
,
堀口 繁
1
,
大塚 基之
1
1岡山大学病院消化器内科
2岡山市民病院消化器内科
キーワード:
膵神経内分泌腫瘍
,
膵腫瘍
,
エタノール注入療法
,
ラジオ波焼灼療法
Keyword:
膵神経内分泌腫瘍
,
膵腫瘍
,
エタノール注入療法
,
ラジオ波焼灼療法
pp.217-226
発行日 2025年1月20日
Published Date 2025/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003353
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近年,超音波内視鏡(EUS)下焼灼療法は,膵腫瘍に対する低侵襲治療法の一つとして報告されてきている.現在,広く実施されている焼灼術はエタノール注入療法(EI)とラジオ波焼灼療法(RFA)であり,おもな適応は膵神経内分泌腫瘍(PNEN)で,腫瘍径20 mm以内かつWHO分類でGrade 1を対象とした報告が多い.また,少数例の報告に留まるが,膵癌や転移性膵腫瘍に対するRFAも実施されてきている.治療効果としては,機能性NENにおける症状緩和効果はいずれの焼灼療法も有効性が高いが,非機能性NENにおける画像上の完全焼灼率はEUS-EIでは80%に届かず,治療後再発例も認めている.一方で,EUS-RFAは完全焼灼率では優れるが,重篤な合併症の報告もある.腫瘍サイズや位置に応じて,どちらの焼灼術がよいか,さらなる検討が必要である.
Copyright © 2025, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.