特集 転移性肝腫瘍に対する肝切除
Ⅰ.総論 2)転移性肝腫瘍に対するラジオ波・マイクロ波焼灼療法
寺谷 卓馬
1
1NTT東日本関東病院肝胆膵内科
キーワード:
転移性肝癌
,
ラジオ波焼灼療法
,
マイクロ波焼灼療法
Keyword:
転移性肝癌
,
ラジオ波焼灼療法
,
マイクロ波焼灼療法
pp.1025-1034
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004493
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肝悪性腫瘍に対する経皮的局所療法は,1983年,千葉大学の杉浦ら1)による肝細胞癌4例に対する経皮的エタノール注入療法(percutaneous ethanol injection therapy;PEIT)の報告に始まる。PEITは,患者への低侵襲性と医師への利便性を特長とし,わが国で広く普及していった。しかし,純エタノールと腫瘍細胞との物理的な接触が必要なPEITでは,線維性被膜や隔壁を有するサイズの結節においてエタノールの浸潤が阻害されるため,局所に癌細胞が残存する問題点が指摘され,さらに線維性間質に富む多くの転移性肝癌に対しては,かつての報告を参照しても局所制御能が低いと考えられた2)。

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