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English
特集 脊椎脊髄疾患のインターベンショナルラジオロジー(IVR)
椎体腫瘍に対するラジオ波焼灼療法
Radiofrequency Ablation for Vertebral Tumors
川端 隆寛
1
,
冨田 晃司
1
,
平木 隆夫
2
Takahiro KAWABATA
1
,
Koji TOMITA
1
,
Takao HIRAKI
2
1岡山大学病院放射線科
2岡山大学学術研究院医歯薬学域放射線医学
1Department of Radiology, Okayama University Hospital
キーワード:
ラジオ波焼灼療法
,
radiofrequency ablation
,
椎体腫瘍
,
vertebra tumor
,
転移性骨腫瘍
,
metastatic bone tumor
Keyword:
ラジオ波焼灼療法
,
radiofrequency ablation
,
椎体腫瘍
,
vertebra tumor
,
転移性骨腫瘍
,
metastatic bone tumor
pp.765-769
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202192
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はじめに
骨は肺,肝臓に次いで転移が生じやすい臓器とされている.腫瘍による疼痛のほか,病的骨折や神経圧迫症状など患者のquality of life(QOL)やactivities of daily living(ADL)の低下に深く関わる症状を呈するため,さまざまな治療が行われており,手術,麻薬性鎮痛薬,放射線治療,ホルモン療法などが治療法として挙げられる.その他にinterventional radiologyによる治療として,凍結治療やradiofrequency-ablation(RFA)が行われている.
RFAは電極針を腫瘍に穿刺し,その先端から450Hz(ヘルツ)前後の高周波を発生させることで針の周辺にジュール熱を発生させ腫瘍を凝固壊死させる治療法である.
わが国では,肝細胞がんに対して1999年より治療が開始され,2004年に保険適用となったが,骨病変に対するRFAは保険適応外であり,一部の施設において自費診療で行われてきた.2022年9月1日にRFAの適応が拡大され,Cool-tip RFAシステムEシリーズ(コヴィディエンジャパン,図 1)を用いた悪性骨腫瘍に対するRFAが保険診療で行えるようになった.その他に,小径腎悪性腫瘍,肺悪性腫瘍,類骨骨腫,骨盤内悪性腫瘍,四肢や胸腔内および腹腔内に生じた軟部腫瘍に対する治療にも適応拡大されている.今後,さまざまな施設において骨病変にRFAが行われていくものと推測される.本稿では,悪性骨腫瘍に対するRFA,特に転移性骨腫瘍に対するRFAについて概説する.
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